そういえば、先日、
「好きな映画をイメージしたカクテルを作ってくれるバーが渋谷にある」
と聞き、
友人と行ってきました。
「八月の鯨」
という、バーの名前まで映画タイトル。
外の看板からすでにおしゃれで震えます。
でも、私も大人なんで。
アラサーなんで。
常連客ですよ感を出しながら中に入ります。
店内は映画のポスターなどが飾ってあり、オシャレで落ち着いた雰囲気。
早めに行ったから人も少なくて良かった。
天井に様々なラベルがびっしり貼ってあるのがすごかった。
どうやって貼ったんだ。
んで、席について早速注文。
メニュー表には既にいくつかの映画カクテルがありました。
でも、メニューにない映画でも伝えれば作ってもらえるらしいので、
友人「『アルマゲドン』をお願いします」
私「『真珠の耳飾りの少女』でお願いします」
と注文。
友人は『アルマゲドン』が大好きらしく。
ラスト付近のストーリーについて熱く語っていました。
『アルマゲドン』という名作に対し、『真珠の耳飾りの少女』という一般的にはそこまで知られていない映画を注文した自分がなんだか恥ずかしくなりました
(コリンファースとスカーレットヨハンソン主演。画家フェルメールの絵画を題材にした映画です。超好き)。
マイナーな映画をあえて頼んじゃう、映画詳しいですよ感を出しちゃうサブカル系気取りの女って思われていたらどうしよう・・・
と不安になりました。
でも、本当に一番好きな映画だからしょうがねえ。
チャンスを逃したくねえ。
ねえ? 好きな気持ちっ、大事にしよっ?
って私の中の純粋な部分が囁いたので、気にしないことにしました。
待つこと数分。
おお〜〜!
非常にそんな感じだ。
お酒の色は『真珠の耳飾りの少女』の少女が身に付けている青いターバンから着想を得たはず。
丸くカットされ添えられたりんごは勿論真珠を表現。
装飾が過剰すぎずシンプルでおしゃれなカクテルです。
そして、友人、
『アルマゲドン』
友人「何故この色なんだろう?」
二人でどんなカクテルが来るか予想していたのですが、『アルマゲドン』は絶対に地球をイメージした濃いめの青が来るだろうと話していたので、
確かに何故オレンジなんだろう、と少し意外でした。
何故なのか
二人で必死に考えました。
そして、
友人「わかった・・これ乗組員たちが着ていた宇宙服の色だ・・確かあれオレンジだった!」
ということに気づき、
私「なるほど・・・!
ということは、この丸い氷は地球を表現していて、氷を包み込む周りのオレンジは、地球を守っている乗組員たち、っていう図式になっているんじゃないか」
友人「なるほど!もしくは、この氷は地球に目掛けてきている惑星なのかもしれない・・オレンジの光を発しながら向かってきているのを表現しているのかも・・」
二人「・・・・
深い〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
完全に、
現代アートや抽象画などの意味を必死で汲み取ろうとする人たち
になりました。
でも、それがめちゃくちゃ面白かったです。
必死で考えて意味を汲み取ろうとする楽しさ。
本当に美術館みたい。
続きまして、
友人注文2
「もののけ姫」
批評
ギザギザしたパインの形はシシ神様の鬣、もしくはサンが身に付けている動物の牙のネックレス、または森や自然が表現されているではないでしょうか。
添えられたグリーンのチェリーはきっと「命そのもの」の存在であるシシ神様の魂。
そして、透明から濃い緑までグラデーションになっているお酒の色は、シシ神様がダイダラボッチになった時のビジュアルに酷使している。
つまりこのカクテルは「もののけ姫のカクテル」というより「シシ神様のカクテル」なのかもしれません。
私注文2
『IT〜それが見えたら終わり〜』
批評
これはもう完全に・・・わかりますね。
シンプルなのにここまで『IT』という作品を表現してくれるとは・・・
バーテンダーの方には脱帽です。
説明するのも野暮かもしれませんが、一つだけ大きな存在感を示しているラズベリーはピエロの格好をしているペニーワイズの鼻、そして周りに散らばる赤は血の色を表現。
静けさの中に浮かぶ恐怖、という感じで映画の恐ろしさがひしひしと感じられる素敵なカクテルですね。
・・・・・・・・・
深読みするのめっちゃ楽しい〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
友人とこれはこうでこうなんじゃないか、と議論し合うのが楽しかったです。
お互いにほぼこじつけというのが分かっていながらも、「絶対にそうだよ〜〜」と無理矢理に解釈し納得し合う作業や、どんな感じのカクテルが来るか予想したりと、とても盛り上がりました。
このクラッカーとチーズのおつまみメニューも美味しかった。
ただ、店員さんが、
「お皿が熱いのでお気をつけください」
って言った側から、
お皿に触れて「あっつっ!!!」ってなっている友人氏が本当にわけわかんなかったです。
はい。
そんな感じで、とても楽しいバーでした。
しかも、最後に
このオリジナル映画ミニブックみたいなのも貰えてとっても嬉しかった。
映画と作品をイメージしたカクテルが載っている可愛い冊子、今回はファッション映画特集らしく、『プラダを着た悪魔』『SAYURI』などが紹介されていました。
また次来た時はこの中から注文したいな〜
そんなこと言ってますが結局、
『ゲットアウト』か『ウィリーズワンダーランド』か『ハッピーデスデイ』
を頼んでしまいそうな自分がいます。
決して、バーテンダーの方を試しているわけではないです。
はい。
とにかく、
映画好きは勿論、考察厨の方も楽しめるバーなので、気になる方は是非行ってみてください。
では、さようなら。